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 2017.09.28 UP DATE
「淺井裕介 ー 絵の種 土の旅」箱根彫刻の森美術館

淺井裕介ー絵の種 土の旅「火で見る日」箱根彫刻の森美術館 2016年 撮影:佐藤祐介
「作品をみる」vol.4で御覧いただけます。

淺井裕介展で印象深かったことは、
ろうそくの灯りで鑑賞する「火で見る日」を設けたことだ。
来場者は、ただただ作品に見入っていた。
生けるものの代弁者である淺井は、自然界からのギフトだと私は思っている。
                 黒河内卓郎 彫刻の森美術館学芸員





振り返ればこの展示は、淺井裕介のひとつのエポックだったように思います。
現代の新しい創作表現を紹介するシリーズの第6回として、
2015年、箱根彫刻の森美術館で開催された「淺井裕介 ー 絵の種 土の旅」展。
これまで、そして現在も続けられている2つの技法が表現されました。
≪泥絵≫と呼ばれるシリーズは、主に現地の土を採取し水で溶いて、直接、壁や板に描かれます。
作家がこれまで各地で採取した土に加えて、当館や箱根の名所で採取した土も使われます。
また、2003年より続けている≪マスキングプラント≫という植物画シリーズは、
マスキングテープで制作した植物や動物の形の上にペンで描いた造形が絡み合い、イメージが無限の広がりを見せています。
1階では、壁面いっぱいの泥絵作品に、公開制作によって新しくこの場所で生まれてくる形がつけ加えられました。
2階には、これまで長年続けてきた≪泥絵≫と≪マスキングプラント≫が融合した「木のつけ根のような、何かの巣のような、それ自体が生物のような」(作家の言葉)巨大な造形が新たな挑戦として生まれました。

「淺井裕介 ー 絵の種 土の旅」2015.9.19~2016.2.28
彫刻の森美術館(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)本館ギャラリー


展示風景 撮影:佐藤祐介
しっぽの森 2014年 撮影:高嶋清俊 写真提供:六甲山観光株式会社
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 2017.08.08 UP DATE
終わったら、絵は消してしまう。
一番良くできたものを持っているとそこから先には進めないから。


淺井さんが世界各地で収集してきた土と、弊社の庭で採取した土、
社員が各々持ってきた土が融合し、1つの大きな絵ができました。



淺井さんが国内外のいろいろな場所で取ってきた土も合わせると、
こんなにたくさんの種類に。
ちなみに、絵の中でよく使われているオレンジ色の土は、ソウルの土だそう。
泥絵は一切絵の具を使わず、土の色のみで描きます。描いて削って床に落ちた土も、
実は掃き掃除して集めていて、それもブレンド土"ソニックジャムブレンド"として使います。
結構あるの。箱根ブレンドとか、現代美術館ブレンドとか。
それぞれ微妙に違いますね。



もの作る人たちはみんな感じていると思うけど、本気で一生懸命作って、
一番良くできたものをずっと持っていると、そこから先になかなか行けないんです。
でも最近は逆に残すという考え方が、自分のなかですごく新鮮になってきています。

SONIC JAM"MASS"レポート最終編:淺井裕介 泥絵より転載
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 2017.08.02 UP DATE
淺井裕介滞在制作展
「八百万の物語 -強く生きる 繰りかえす-」

淺井裕介の絵画は徹底的に開かれている。
「絵画」というと、芸術家が閉ざされたアトリエで黙々と描き
完成させるものが想像されるだろうが、淺井はそのような絵画観を爽快に裏切る。
淺井の絵画制作は公共空間を生み出す行為でもある。
彼はこの数年間、美術館などホワイトキューブと称される場から、
屋外や空家を用いたアートプロジェクトまで、
様々な現場に赴き与えられた場所と条件のもとで描き続けてきた。
彼は自身を「絵描き」と称し、絵を描き続ける環境を求めて
無数の現場を渡り歩くなかでその独自の絵画法を確立していった。

淺井の絵画法には4つの特徴がある。
第1に、特殊な画材をほとんど必要とせず、
マスキングテープと水性マーカー、土と水、手近にあるボールペン・鉛筆とチラシなど、
容易に手に入る身の回りのものを画材として選択する。
第2に、キャンバスを張って周到な準備をしたり無数の習作を描いたり
下絵を描いたりという絵を描くための入念な準備をほとんど必要としないこと。
第3に、電信柱や家の壁・床など、普段描いてはいけないと思われる場所に
描くことを可能にし、どこでもキャンバスにできること。
そして最後に、多くの作品が彼一人で描くのではなく
他者との共同制作により完成されるという点が挙げられる。

淺井はいつでも描いている。
会話中も片手にはペンを握っているし、食事にいっても割り箸やナプキンなどに絵を描く。
もちろん単に絵を描き続けるだけなら誰にでもできるが、
淺井は描くという行為を公共の利益に変換することに成功したため、
未知の場所に描く機会をどんどん獲得しているのだ。

開かれた場としての絵画
服部浩之
国際芸術センター青森淺井裕介滞在制作展
「八百万の物語 -強く生きる 繰りかえす-」より
2012年4月28日(土)〜6月24日(日)
《泥絵・起源山》、2012
土(ACAC裏山1種、八大龍神社[浅虫]2種、夏泊6種、椿神社1種、
善知鳥神社2種、平内1種、小牧野遺跡周辺2種、雪)写真:山本糾

officialsite
 2017.08.01 UP DATE
淺井裕介ウエブサイトはこちら
→http://d.hatena.ne.jp/asaiyusuke/
東京都現代美術館「未見の星座−つながり/発見のプラクティス」2015.1.24~3.22
淺井裕介《全ての場所に命が宿る》2011/2015年 撮影:加藤健
 
 profile
淺井裕介
絵描き。テープ、ペン、土、埃、
葉っぱ、道路用白線素材など
身の回りの素材を用いて、
キャンバスに限らず角砂糖の包み紙
や紙ナプキンへのドローイング、
泥や白線を使った巨大な壁画や
地上絵のシリーズまで、
あらゆる場所と共に奔放に絵画を
制作する作家。



2016年
青森EARTH2016
青森県立美術館開館10周年記念
「淺井裕介滞在制作プロジェクト」



2015年
個展「 -絵の種 土の旅 -」
箱根彫刻の森美術館

撮影:山下三千夫




2012年
淺井裕介滞在制作&個展
「八百万の物語
 -強く生きる 繰りかえす-」
国際芸術センター青森




©Yusuke Asai,
Courtesy of URANO,
Photo by Yosuke Takeda

1981年 東京生まれ
1999年 神奈川県立上矢部高校
美術陶芸コース卒業。
卒業後4年間、制作環境を求めて
高校に通い続ける。

1999年淺井裕介個展
ギャラリーリリス 神奈川

2003年 個展「植物画」
MABUI画廊 鶴見
マスキングテープに
耐水性マーカーで植物を描く
「マスキングプラント」制作開始

2007年
「根っ子のカクレンボ」横浜美術館

2008年
個展「のびちぢみするつち」
Art Center Ongoing 東京

インドネシアジョグジャカルタで
土を使った泥絵を描き始める。

新羽小学校の子供達と道路用白線で180mの植物画を制作。
道路に絵を描くすべを見つける。

2009年
VOCA2009上野の森美術館
2010年
あいちトリエンナーレ
長者町繊維卸会館
2010年 「ショッピング」
三菱地所アルティアム 福岡

wall art festivalに参加。
ブッダガヤ・インド
詳細はコレクション館で。

2011年
「水・火・大地創造の源を求めて」
熊本市現代美術館

植物になった白線@代々木公園
アスファルトの道路で使用される
白線素材のシートから動植物の形を
切り出し、バーナーで焼付けて制作

MOTコレクション特別展示
東京都現代美術館

2012年
「植物になった白線@みやざき」
宮崎県立美術館 
2013年
「六本木アートナイト2013」
国立新美術館
「瀬戸内国際芸術祭2013」
「Ohara Contemporary」
大原美術館
2014年
「原始感覚美術祭」長野大町
「wall art project2014」
インド・マハーラシュトラ
「六甲ミーツアート2014」
六甲山植物園
「植物になった白線@伊王島」

個展「yamatane」
Rice University Art Gallery
アメリカ・ヒューストン

2015年
「未見の星座」東京都現代美術館
大地の芸術祭
「越後妻有トリエンナーレ 2015」
越後妻有里山現代美術館
個展「この場所でつくる」
ARATANIURANO 東京

近年とみに多数の
展覧会やプロジェクトに
精力的に参加滞在制作を続ける。

賞暦
2009年 VOCA大原美術館賞
2012年 神奈川文化未来賞
2014年 タカシマヤ美術賞
パブリックコレクション
大原美術館
福岡アジア美術館
熊本市現代美術館
東京都現代美術館

2011年
ARATANIURANO
淺井裕介個展「パギとソレ」

もうひとつの制作
「マスキングプラント」は
マーカーペンによって植物や生物が
描かれたマスキングテープを使い、
奔放に創られていく作品です。
壁面や道路など目に入る空間全体が
大きなキャンバスとなり、
終わりなく息づくダイナミックな
世界が描かれていきます。
展示が終わると、完成された
「マスキングプラント」から、
描かれたマスキングテープを収穫し
それらテープ(=種)を手で契り
白い紙面にコラージュして、
全く新しい平面作品、「標本」と
して再生されます。
「パギソレ」はインドネシアで
一枚の更紗の右と左に違うモチーフ
があるものをいい、
「パギ」は朝、「ソレ」は夕方を
意味します。



2016年発作品集
「この場所でつくる
 Yusuke Asai Art Works
        2011-2015」